お茶に適した水は軟水です。日本の水はほぼ軟水であるので基本的には水道水で大丈夫です。ただ水道水は浄水場から家庭に配られる間の雑菌増加防止のために塩素が注入されています。なにかと悪者にされがちな塩素ですが、家庭で汲み置きした水も腐りにくいなどの利点もあります。
ただ塩素は俗にいうカルキ臭さがあります。カルキ臭さは沸騰させることで除去できるのでお茶を入れる際には必ず水を沸騰させてください。
市販のミネラルウォーターを使用する場合、外国産の多くはカルシウム・マグネシウムなどが多く含まれた硬水のため、お茶をいれるには不向きです。日本製は軟水のものが中心ですが、硬度を確認し少ないものを用いてください。
「湯の温度」
渋み・苦み成分のカテキンやカフェインは高温で出やすく、甘み・うまみ成分のアミノ酸は低温で多く浸出します。茶葉の特徴に応じて温度を変えます。
・高温(90度以上)で入れて香りを愉しむ
ほうじ茶・玄米茶
・やや高温(70~80度)で旨み・渋み・香りを引き出す
煎茶・深蒸し煎茶
・低温(60度)でゆっくりとうまみ成分を引き出す
玉露
「茶葉の量」
1人分は約2グラムといわれています。ティースプーン1杯で大体2グラムになります。
(ほうじ茶はティースプーン山盛り1杯で2グラムになります。)
玉露は少し多め(3グラム)の方が美味しく入れられます。
「抽出時間」
甘み・苦み・渋みのバランスのとれる抽出時間の目安は30秒です。60秒くらいになると甘みが消え、苦みが強まります。
(玉露の目安は2分になります。)
お湯の温度の下げ方
沸騰したお湯は容器を移すたびに約10度温度が下がります。
80度のお湯で入れる場合には、沸騰したやかん(100度) → 湯呑・カップ(90度) → ティーポット・急須(80度)の順に移すと80度程度になっています。
お湯は少しずつ均等に注ぐ
急須から湯呑にお茶を注ぐときは、濃さが一定になるよう少しずつ均等に注ぎわけるようにし、最後の一滴まで絞りきるようにします。
2煎目以降の楽しみ方
うまみの多い1煎目と比較するとスッキリとした味になるのが2煎目以降です。
1煎目のお湯を急須に残すと2煎目が渋くなりすぎます。必ず急須のお湯は最後まで絞りきるようにします。
また2煎目は1煎目よりやや高温の湯を使用し、早めに注ぎわけることで適度な渋みが楽しめます。